「最近よく眠れない」「寝ても途中で目が覚めて、朝から疲れている」
そんなふうに感じること、ありませんか?
もしかしたらその不調、カフェインが関係しているかもしれません。
コーヒーやお茶、チョコレートなど、当たり前にあるものに含まれているカフェイン。
私たちが知らず知らずのうちに摂っているこの成分が、眠りの質に影響している可能性があるんです。
「私はあまり寝なくても平気」「もともとショートスリーパーだし」
そんなふうに思っている方も、もしかしたら日中イライラしやすくなっていたり、甘いものがやめられなかったりしていませんか?
実は、ほとんどの人が8時間の睡眠を必要としていると言われています。
ちゃんと寝て、心も体も整えば、日常の小さなストレスにも振り回されにくくなります。
「寝る時間があったら、やりたいことをしたい」
その気持ちもよくわかります。私もそうでした。
仕事や勉強を優先して、気づけば体も心もいっぱいいっぱいに。
大切な人にきつく当たってしまったり、子どもにイライラしてしまったり——
思い返せば、そんな自分に自己嫌悪する日もありました。
でも、もし『「ちゃんと寝る」ことが、すべてをラクにしてくれるとしたら?』
睡眠を見直すことで、仕事も家のことも、もっと気持ちよく回り始めるとしたら?
その第一歩が、カフェインと少し距離をとってみることです。
本記事では、カフェインの影響と、無理なく始められる“カフェインリセット”についてご紹介します。
あなたが少しでも軽やかな毎日を取り戻すきっかけになりますように。
カフェインの減らし方
カフェインリセットの方法は以下の通りです。
- どのくらいのカフェインを摂っているか客観視しましょう。
カフェイン含有物のリストを見ながら普段の一日を振り返りましょう。 - 自分がどれだけカフェインを摂っているか分かったら、量を減らし方を考えましょう。
離脱症状に耐えながら手っ取り早い方法か、離脱症状が少ない方法かを選びましょう。 - カフェインを減らしながら、体の変化に注意しましょう。
カフェインの恩恵(睡眠、集中力、疲れにくさなど)、離脱症状の有無 - カフェインを完璧に止めて14日経ったら、カフェインを再開するか考えましょう
私はカフェインリセットは、カフェインを再開するところまでがセットだと考えています。
カフェインに頼らない生活とカフェインに頼っていた生活のどちらが良かったかを決めるのはあなたです。
- 遅い時間のカフェインを減らす
就寝時間までに体にカフェインを残さないため - 起床2時間以内のカフェインを減らす
コルチゾールと言うホルモンで覚醒するため、この時間にカフェインを摂ってもメリットがないため
- 全体のカフェイン量を段階的に減らしていく
朝・昼・晩に飲んでいたなら、それぞれを少しずつ減らしていく
離脱症状を避けたい人向け - 飲んでいた回数を減らしていく
朝・昼・晩に飲んでいたなら、晩のカフェインを摂らなくする
手っ取り早く効果を得たい人向け
カフェインリセットで本当の眠りを取り戻す
カフェインを手放すと、自然と必要な睡眠時間がとれるようになります。
私たちの眠りは思っている以上に、日々のカフェイン摂取に影響を受けているんです。
カフェインの効き方には個人差があります。
カフェインの効果が体の中でどれくらい続くかは、人それぞれ。
「寝る〇時間前にはカフェインを避けましょう」と言われるのは、カフェインの“半減期”(体内に残る時間の目安)に基づいています。
ただし、半減期とはあくまで「半分に減る時間」。つまり、それを過ぎてもカフェインはしばらく体内に残り続けるということです。
カフェインが効きやすい体質の人ほど、影響が出やすい傾向があります。
私は自分がカフェインに敏感なタイプだと思っています。
最近、久しぶりにカフェインリセットを試してみました。
それまでは、午前中に豆から挽いたドリップコーヒーを1~2杯飲むのが習慣でした。
それを1週間完全にやめてみたところ、睡眠の変化がはっきり表れました。
- 睡眠時間が1時間ほど伸びた(7時間30分が8時間30分程度になった)
- 夜中に目が覚めても、すぐにまた眠れるようになった
- イライラしにくくなり、気持ちが安定した
この経験を通して、「カフェインが眠りの質を下げていたんだ」と実感しました。
また、カフェインの爽快感より睡眠の満足感の方が大事だとも思いました。
今では、カフェインを摂ることで睡眠が乱れるのがイヤになり、自然と量が減っています。
カフェインリセットとは1~2週間程度カフェインを完全に断つこと
後述するカフェインを含む物を全て断ちます。
1~2週間と幅があるのは、人によってカフェインを代謝するスピードが違うからです。
先ほど半減期に触れました。
半減期とは血中に存在する濃度が半分になる時間を指します。
カフェインの半減期は2~8時間程度と言われています。
半分になるのが2~8時間なら、全部代謝するのに4~16時間じゃないの?!
実はそうじゃないんです。
半減期が2時間の人は、カフェインの量が50%になるまで2時間かかります。
さらに2時間経つ(トータルで4時間経っています)と50%の半分で25%になります。
さらに2時間経つ(トータルで6時間たっています)と12.5%になるわけです。
なのでカフェインが減る量は、時間が経つほど段々と緩やかになります。
だから、完全にカフェインが代謝されて、身体がカフェインに依存してない状況になるまで1~2週間かかるわけです。
ショートスリーパーは人口の1割程度、ほとんどの人は8時間睡眠が必要
「私はショートスリーパーだから、睡眠時間が短くても大丈夫」
そんなふうに思っていませんか?
でも実は、本当に睡眠が短くても大丈夫な人は、全体の1割ほどしかいないと言われています。人類の数パーセントという見方もあるくらいです。
これは、マイケル・ブレウス博士の著書『最良の効果を得るタイミング』で紹介されている「クロノタイプ理論」に基づいたものです。クロノタイプとは、生まれつき備わっている体内時計の個性のようなもので、行動や睡眠の最適なタイミングが人それぞれ違うことを示しています。
博士は人のクロノタイプを次の4つに分類しています
- イルカ
- ライオン
- クマ
- オオカミ
このうち、短い睡眠でもあまり影響を受けにくいのは「イルカ」タイプだけ。ただし、それでも必要な睡眠時間は 約6時間40分(ベッドに入ってから眠りにつくまでの時間を含めて)とされています。
一方で、人口の90%を占める残りの「ライオン」「クマ」「オオカミ」タイプは、およそ7時間50分(約8時間)の睡眠を推奨されているのです。
つまり、「自分は睡眠が少なくても大丈夫」と思っていても、実際には無意識のうちに疲れや不調を溜め込んでいる可能性があるのです。
イルカタイプは眠れない事に不安を覚えがちなので注意
イルカタイプは遺伝的に睡眠欲が低い。よって、他のタイプより少ない睡眠でも生活できるのですが、人口に対する割合が少ないので、回りと比較して不安になることも有るようです。
実際にイルカは、六時間以下の睡眠でも普通に生活できるのである。なのに八時間眠れないことから生じる不安が、さらに睡眠の妨げになってしまう。
マイケル・ブレウス 著 長谷川圭 訳 『最良の効果を得るタイミング』9章 睡眠にまつわる「いつ?」
自分の睡眠時間で、仕事や日常生活が障害されていないかが重要です。
書籍『最良の効果を得るタイミング』紹介
書籍『最良の効果を得るタイミング』では様々な行動の最適な時間帯を紹介しています。
日常生活で感じるちょっとした違和感は、その行動を行う時間が自分にあっていないだけかもしれません。
基本的な生活習慣は何でも載っています。
朝方なのに夜のお仕事をしていたり、睡眠欲が少ないの不眠で悩んだり・・・
そんななやみを解決するきっかけになる本です。
クロノタイプは簡単なクイズでも診断可能です。書籍でもクイズは紹介されていますが、以下のURLからでも無料で診断ができます。
web診断はこちらhttps://sleepdoctor.com/pages/chronotypes/chronotype-quiz-1
メールアドレスを入力する必要があり、宣伝メールも届きますが、自分のクロノタイプを知るきっかけになると思いますよ。
リンクを踏むのが怖いあなたは『クロノタイプ 診断 マイケル・ブレウス』で検索して出てくる診断で試してみてください。
8時間寝ないことで、手放していること
本項目でメンタリストDaiGoさんの書籍『賢者の睡眠』を参照します。
睡眠が足りないと以下のマイナスが起きます。
- ちゃんと寝ないと脳が「ゴミ屋敷」「居眠り」「おバカ」に。
「質が高い」睡眠を極めれば、遺伝の「頭の良さ」も超えられる。 - ちゃんと寝ないと「細胞」「血管」「免疫力」に悪影響。
体の「老化」を早めたり、「太りやすく」なる。 - ちゃんと寝ないと「不誠実」「醜くなる」「敵意を抱く」。
コミュニケーション能力に支障が出て、人間関係を壊す。
テスト前の一夜漬けは、勉強に対する本質的な解決にはならないことが分かっています。
テスト勉強をした満足感はあるかもしれませんが、記憶に定着しないんですよね。
これは私の経験上も理解できます。
体に悪い点は感覚的に理解できそうです。
『不誠実』になるとはどういう意味でしょうか。
誰しもやらなきゃいけないことがあるのに、誘惑に負けることを指します。
ーダイエット中にお菓子を食べてしまうー
ー必要な作業をしたいのに、ついついドラマを観てしまうー
私はブログを書くつもりなのに、ついつい読書に逃げてしまうこともありました。
これらは自分に対する不誠実さですね。
他人に対して不誠実になると人間関係が壊れやすくなります。
これらは環境のせいもありますが、睡眠不足も要因の一つだったのです。
他にもあります。
睡眠不足が続いていると、相手が親近感を持って近づいてきても、「自分を攻撃してくる敵」に見える恐れもあるそうです。
同僚が「元気なさそうに見えるけど大丈夫?」と心配してくれたのに「うわっ、いい人ぶってる」と被害妄想になる感じでしょうか。
そう考えたら、怖いですね。
上記のような不調があったら、睡眠が足りてない可能性があるので要注意です。
書籍『賢者の睡眠』紹介
睡眠に関することが網羅されている一冊。しかも科学的に裏打ちされた情報ばかり。そして読みやすい。
簡易型クロノタイプ診断チャートも載っています。
意外と多い?!カフェインを含むもの
カフェインを含む物は身近に沢山あります。
飲み物だと
- 玉露
- コーヒー
- 紅茶
- 緑茶
- ほうじ茶
- ウーロン茶
- 玄米茶
- ココア
- コーラ
- エナジードリンク
食べ物だと
- チョコレート類(ハイカカオだとよりカフェインを含む)
- ココア製品
- ガラナを使った製品
ハイカカオのチョコレートは健康に良いと推奨されますが、カフェイン摂取の点で言うと注意が必要です。
以下に全て当てはまる方はカフェインとの付き合い方を見直す機会にしてはいかがでしょう。
その嗜好品に求めているのはカフェイン?それとも他の何か?
もし嗜好品に求めている物がカフェイン以外であったら、代替物に置き換えましょう。
あなたは好きなカフェイン含有嗜好品に求めているものは何ですか?
私の場合はコーヒーを飲むとすぐに腸が動き出します。
朝方に便意をもよおさない場合は、コーヒーに頼っていたこともありました。
しかし、睡眠不足は便秘を招きます。
寝ている間に腸が活発に動くので、朝方に便意を感じるのです。
コーヒーを飲むことは睡眠不足を招きます。
コーヒーを飲むから眠れなくて、便秘に傾きやすかったのです。
完璧な思い違いでした。
他にも見てみましょう。
ココアだったら「温かくてリラックスできる」「ほんのり香ばしさ」「ポリフェノール(健康志向)」「カフェイン」でしょうか。
少々めんどくさい作業ですが、あなたが求めている要素が分かれば代替物を選びやすくなります。
カフェイン嗜好品の代替品
カフェイン嗜好品の代替品を上げてみました。
見比べると「これでもいいかも」と思えるものが見つかるかもしれません。
カフェイン含有物 | 代替物 |
コーヒー | デカフェ製品、タンポポコーヒ―など |
お茶、紅茶 | デカフェお茶、ハーブティー |
ココア | 甘酒、ホットミルク、 |
エナジードリンク | 炭酸水 |
コーラ | クラフトコーラ、炭酸水 |
チョコレート | 代替チョコ(チョビバ、キャロブ) |
カフェインを減らす時には離脱症状に気を付けて
求めている物がカフェイン以外でも、カフェイン摂取を減らしてしまうと離脱症状がでるので注意しましょう。
カフェインの離脱症状は医学書にも載るようなれっきとした障害です。
代表的な離脱症状は以下の通りです。
- 頭痛
- 著しい疲労感また眠気
- 不快気分、抑うつ気分、または易怒性
- 集中困難
離脱症状が出た場合は、対症療法か一旦少量のカフェインを摂って減らし方を再計画しましょう。
その嗜好品にカフェインを求めている場合は減らして、他で代替しよう
あなたはそのカフェインで何を成したいですか?
眠気覚ましでしょうか、集中力向上でしょうか?
ん?特に意味はない?
それはいけません。
どうしても譲れない事の為に短期間だけカフェインに頼るのは良いと思います。
カフェインによる体力の前借りが漫然と続くと、睡眠の質と量が削られてしまいます。
すると眠気と集中力の無さを補うためにさらにカフェインを摂ることになります。
あとは『眠れない→疲れているからカフェインを摂る→更に眠れない→カフェイン摂取』のループに入ってしまいます。
眠れていないなら、一旦カフェインを減らすことをお勧めします。
それでは離脱症状を我慢して、カフェインリセットをするしかないのでしょうか。
まずは緩やかに量を減らすことをお勧めします。
緩やかに量を減らすことで、離脱症状を抑えるのです。
私は手っ取り早くリセットしたいので、コーヒー1~2杯を一気にリセットしました。
コーヒー1~2杯をやめるだけで離脱症状に苦しみました。
私の場合は離脱症状を感じることは実験の一環であるのですが、この離脱症状は、絶対に意思の力だけで乗り越えてはいけません。
人の意思の力はそうそう強くなく、仮にリセットに失敗してしまうと自己嫌悪に陥る可能性もあります。
緩やかに減らしていけば、離脱症状も押さえられるはずです。
そちらは私の体で検証出来たら記事にしたいと思います。
カフェインの代替物
カフェインにはいろいろな効果があります。
代表的なのは眠気覚ましでしょうか。
カフェインがなくなることで、それぞれの効果がなくなってしまいます。
それが寂しい方は、別の物や行動で代替しましょう。
カフェインに求める効果 | 代替行動 | 代替物 |
眠気覚まし | 15分程度の昼寝、軽く歩く | ミント系ガム |
集中力向上 | 運動、冷たいシャワー | |
利尿作用 | ストレッチで血行促進 | きゅうり、スイカなど利尿食材 |
代謝促進 | 階段を上るなどの日常生活運動 | サプリメント |
身体パフォーマンス向上 | 水分補給、15分程度の昼寝 | クレアチン等のサプリメント プロテイン |
AIに使えば簡単に調べられるので、あなたの必要な効果を是非調べてみてください。
カフェインリセットしてみて分かる、カフェイン(コーヒー)のありがたみ
私にとってはコーヒーは人生に欠かせない嗜好品になっています。
おそらく皆さんにもあるのが当たり前な嗜好品があるのではないでしょうか。
それらを完全になくす必要はありません。
でも、カフェインの場合は摂り過ぎのデメリットもあるのが事実です。
私は一度カフェインリセットをしたことで、カフェインのありがたみに気付くことができました。
カフェインリセットして、また摂り始めて眠れなくなって、またカフェインリセットして、カフェインとの付き合い方を微調整しています。
デカフェでもインスタントでもコーヒーの健康効果はある程度は残る
コーヒーには沢山の健康効果があります。
2型糖尿病予防、心臓病予防、脳卒中予防、認知機能低下予防などなど多岐にわたりますが、デカフェでも飲まないよりは良いようです。
デカフェは味がイマイチなことが多いのですが、味も美味しい物もあります。
私はデカフェ豆を挽く前の状態から試しているのですが、なかなか満足できる物が見つかりません。
なぜ豆で探しているかと言うと、挽きたての方が美味しいからです。
今のところ美味しいデカフェコーヒーが1つだけあります。
それがマウントハーゲンのデカフェです。
しかもインスタント。
インスタントなのに美味しいってありがたいです。
私はちびちび飲むんですが、冷めても美味しいんです。
これまたありがたい。
実際の商品はこちらです。
カフェインを減らす時はインスタントだと徐々に減らしやすいんです。
ペットボトルなどはもったいなくて飲み切っちゃいたくなりますよね。
徐々に減らす時の相棒にぴったりです。
まとめ
ショートスリーパーはごく一部
「自分は短い睡眠でも大丈夫」と思っている人は多いですが、実際にそれが可能な人は人口の1割以下。多くの人は約8時間の睡眠が必要です(クロノタイプ理論より)。
睡眠不足が引き起こす不調
睡眠不足は脳の働き、体の免疫・代謝、人間関係にまで悪影響を及ぼします。思考力の低下、老化、感情の不安定化、敵意の増加なども起こる可能性があります。
カフェインが睡眠を妨げている?
コーヒーや緑茶、チョコレートなど多くの嗜好品にカフェインが含まれており、知らず知らずのうちに睡眠の質を下げている可能性があります。
カフェインリセットのすすめ
1~2週間カフェインを完全に断つことで、睡眠の質や気分の改善が期待できます。ただし離脱症状(頭痛、だるさ、イライラなど)が出ることもあるので、無理せず段階的な減量が推奨されます。
代替手段でカフェイン依存を防ぐ
コーヒーや紅茶にはデカフェ製品、ココアには甘酒やホットミルクなど、代替品を活用することでカフェインの摂取を減らしやすくなります。
大事なのは「自分に合った睡眠」と「適切なカフェインとの付き合い方」
目的なくカフェインを摂るのではなく、必要な効果(覚醒、集中など)を他の行動で補う選択肢もあります。自分のカフェイン摂取量やタイミングを見直すことが、質の良い睡眠への第一歩です。
カフェインリセットの実際についても書きたいのですが、長文になったので次回に回します。
興味がある方は是非読んでくださいね。
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