やぶ面談看護師を定義する|対人関係職で活躍するためには『聴く』姿勢が必要

アフロ看護師 ぴょん吉は看護師
この人物は架空の人物です。ぴょん吉ではありません・・・
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前回は『聴く』視点からやぶ医者を定義し、病院の口コミの見るポイント、かかりつけ医を選ぶ際の指標について持論を展開しました。

他職種の悪口を書いた戒めに、今回は自分の立場を追い込んでみます。

早速面談におけるやぶ面談看護師を独断と偏見で定義します。

やぶ面談看護師の定義

決められた時間の中で面談者から正確な情報を聴きだせず、健康被害を及ぼしている要因やリスク要因が導き出されない。また、健康被害を及ぼす会社の環境を抽出できず、会社の安全配慮義務履行のサポートが出来ない。

「のっけからなに言っとんねん」

順を追って説明しますが、まずは『産業看護師・保健師』と『面談』と『法律による会社に課されたルール』について説明させてください。

産業看護師とは

企業内で従業員の健康管理を行う看護師。基本は保健師であることが多い。
業務内容に、健康診断の実施・補助、ストレスチェック、面談、巡視などがあります。

私の場合は、オンラインで①面談と②衛生管理委員会の運営(司会進行と健康にまつわる話)のみ請け負っており、本記事では①面談のみに絞って話をします。よって、『面談看護師』という言葉を用います。

看護職面談の目的

心身の不調傾向にある人、職場環境の変化があった人などの健康管理のサポートを行う。業務に著しく支障を来たす状態の面談者を産業医面談に繋げる。面談者を雇っている会社に対して、健康被害を及ぼす環境の改善ポイントを提案する。

会社は労働者に対してさまざまな配慮しないといけません。これは法律で定められています。

 2008年に施行となった労働契約法には、第5条で「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と、事業者の安全配慮義務が規定されています。労働契約に特段の根拠規定がなくとも、労働契約上の付随的義務として使用者(事業者)が負うもので「生命、身体等の安全には、心身の健康も含まれるとされています。

監修 畑中 純子 産業保健と看護 2021年春季増刊 職場のメンタルヘルス 予防・対応・支援の全て

要するに、『会社の環境が原因で労働者の心身の健康が損なわれたら、労働者のバックには法律があるからまあまあヤバい』ということです。大きな企業ほどルールが増えていきます。

そのルールを守るために、健康の専門家でもある看護師・保健師が一役買うわけです。

面談におけるやぶ面談看護師の定義に戻ります。面談看護師は会社と労働者と接点があるので、会社と労働者のそれぞれから見たやぶ面談看護師の定義をしてみます。

会社視点の『やぶ面談看護師』

会社からしたら労働者に安全の配慮を行わないといけません。安全配慮の手段として看護職面談があります。

健康の知識がない会社がその道のプロにアウトソーシングするわけです。

会社が面談看護師に最低限もとめるのは『会社の環境で体調不良者を出さない』だと思います。会社のせいで体調不良者がでるということは、法律的にヤバいことだからです。

それがやぶ面談看護師の定義『健康被害を及ぼす会社の環境を抽出できず、会社の安全配慮義務履行のサポートが出来ない』の部分に当たります。

さらに会社側の欲を考えると、『予防的に介入する』ことが求められるでしょう。モグラたたきの様に体調不良になってから対応していては、対応する方はそのうち後手に回ってしまいます。

「いやいや、健康のプロだか何だか知らないけど、外部の人には内部の事情は分からないでしょ」と聞こえてきそうです。ですが外部の人間にはそれなりのアドバンテージがあります。

関係が薄いからこそ話せることがあります。面談者にとって看護師は中立な立場を担保し易いのです。しかも、私はオンライン・面談のみなので繋がりが極めて限定的です。

さらに看護職には守秘義務という縛りがあります。面談者に黙っててと言われなくても黙らないといけませんし、面談者の意向に沿って情報を部分的に伏せることも行います。職場での『ここだけの話なんだけど』ほど効力のない約束はないでしょう。

話しやすい立場があっても、看護師に『話しやすそうな雰囲気』がないと台無しです。

要するに看護師には『聴く』姿勢が問われるのです。

本記事での『聴く』姿勢とは
  • 相手を無条件に受容すること
  • 相手をジャッジしないこと
  • 自分の経験を通して判断しないこと
  • 相手の話している表面的な内容だけでなく、感情を知ること

会社が配慮しないといけない環境には人間関係も含まれます。人間関係は目に見えにくく、評価が困難です。

そこで外部の人間である看護師が職場の人に言いにくい事を聴きます。

会社視点では、労働者から必要な情報を聴きだせないことがダメなパターンですね。『労働者の話を聴けないこと』がやぶ看護師のポイントになると考えました。そして話を深いレベルで聴いてもらえたら、聴いてもらった人に言われた内容が不思議と入りやすいものです。

面談看護師は時には面談者に行動変容を促さないといけません。『聴く』姿勢は看護師に標準搭載してほしいスキル・姿勢の1つです。

会社からみた『やぶ面談看護師』の定義

労働者の話を聴けなくて、会社環境の改善点・良い点を抽出できない看護師

労働者視点の『やぶ面談看護師』

労働者側の面談をうけるメリットは『健康に働くサポートを受けられる』ことです。

的確なサポートを行うために、情報は事実・本音である必要があります。面談では睡眠時間などの客観的情報もお聞きしますが、それらは面談者の意図で操作が可能です。

事実・本音でないと問題の真相にたどりつけません。例えば、私が睡眠時間の少なさに対して説教をしたら面談者は不快に思うかもしれません。それ以降少し優等生な発言をするかもしれません。逆に睡眠時間を過度に褒めても、優等生発言を促すおそれもあります。

嘘ばかりの面談は行う必要はないでしょう。

ではどういう時に事実・本音を話したくなるのでしょうか。そこで必要なのが『聴く』姿勢です。

本記事での『聴く』姿勢とは
  • 相手を無条件に受容すること
  • 相手をジャッジしないこと
  • 自分の経験を通して判断しないこと
  • 相手の話している表面的な内容だけでなく、感情を知ること

『聴く』姿勢の『相手を無条件に受容すること』『相手をジャッジしないこと』は面談と相性が良いように思います。むしろ必須ではないでしょうか。

看護師の『聴く』姿勢で面談者が話しやすくなる。人は自分で思っているよりも、自分を客観視していないし、考えていること・感じていることをうまく認識していません。そこで自分で話すことで客観視して、「自分ってこんな状況なんだ」「自分はこんなこと感じていたんだ」となりやすくなります。

そして人から言われた事より自分で話した事の方が印象に残り、自分で導いた内容は行動にも移したくなります。

面談者にとって面談看護師は『正直な話を引き出してくれる存在』でなければいけません。

面談者からみた『やぶ面談看護師』の定義

面談者が事実を話せなくて面談者自身を客観視できず、面談を無駄にする看護師

誤った情報から導いた会社の環境改善ポイントは、会社にとってもデメリットが大きいです。その点から会社視点でも、上記はやぶ面談看護師の定義に当てはまりそうです。

まとめ:対人関係には『聴く』姿勢が大事なんだなぁ

やぶ面談看護師の定義を改めてみます。

やぶ面談看護師の定義

決められた時間の中で面談者から正確な情報を聴きだせず、健康被害を及ぼしている要因やリスク要因が導き出されない。また、健康被害を及ぼす会社の環境を抽出できず、会社の安全配慮義務履行のサポートが出来ない。

正直言うと、看護師面談を行うだけである程度企業側の法律に対して『やることやっています』のスタンスは示せます。

しかし中身のない面談の先には労働者の不利益があって、さらにその先には訴訟や雇い直し等会社の不利益があります。

労働者・会社の両者にとってWinWinになる面談を行うためには、看護師の『聴く』姿勢が大事になるのです。

今回はやぶ面談看護師の定義を考えることで、避けないといけないパターンを見ました。私は駆け出しの面談看護師ですが、この点を意識して活動したいと思ます。

やぶ医者とやぶ面談看護師について考えてみて思ったことは、結局人が関わるところには『聴く』姿勢が大事っていうこと。

私は『聴く』に魅了されて視野が狭くなっているとは思いますが、少なくても重要な要素の一つだと感じています。

夫婦関係、子育て、保護者会などどんな場面でも『聴く』姿勢は大事。人は話したがり屋だけど、回りにはそう聴ける人がいないのが現状です。

実はわたしはこのブログが好き勝手言える大事な話す場になっています。私の話を聴いていただきありがとうございます。「変なコメントはしないでね」というメッセージではありません。「無条件の受容」「ジャッジしない」は気にしないでください。

次は理想の面談看護師像を考えてみたいと思います。自分の言葉にすることで、今後の面談看護師の活動を良いものにしたいです。

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